2011年5月30日月曜日

SEO対策の面白い話

 
 
人間関係にも見えるworld wide web の概念図
 (●が「個人」、繋がる線が「ネットワーク」)


ここ3カ月間、ウェブ会社勤務と個人事業の掛け持ち生活を続けてきたせいか、
気付けば2カ月ほどブログを更新してなかった(汗)。

ウェブ業界、忙しい~仕事沢山~そして奥深い~
毎年新しいブラウザ出るわ、コードに流行廃りがあるわ、片足突っ込むには深すぎる業界です。
仕事場は程良い緊張感がありながらも、和やかで、楽しかった。
もし自分がWEBをやりたいのであれば、最適な会社だっただろうな。
WEBの仕事自体も日々感心することが多く、やりがいはあったけど、
WEBの仕事をすればするほど、プロダクトデザインへの愛情が深まるばかり。
嫁とデザインには一途なんです。はい。

最近やっと暇を頂き=祝・ ウェブ会社勤務終了ということで、
ウェブに関する面白かった話をひとつ。
それが、勤務先の先輩に聞いた、SEO対策の話。

まず、ウェブ業界以外の人で、SEOって言葉を聞いたことある人は、どのくらいいるのかな?
SEO (Search Engine Optimization) 対策とは、日本語に訳すと、検索エンジン最適化。
簡単に言うと、顧客を呼び込み収益を上げたい企業が、グーグルなどの検索結果で上位(特に1ページ目)に表示されるように、色々と工夫をこらすこと、らしい。

SEO対策自体を生業とする方もいらっしゃるぐらいなので、相当奥深いもんだと思うが、
先輩曰く、基本的に大切な要素は3つらしい。(最近、要素が変わったそうな。)

1.文章構造が簡潔、且つ、しっかりしていること
検索ロボットはhtmlを上から読み込むらしいが、読み込む文字数には上限があるらしく、なるべく簡潔かつしっかりした文章構造のhtmlがヒットする。ちなみにコードにも綺麗なコード、雑なコードというのがあるらしく、「綺麗なコード書きますね~」とか、言われるらしい。 言われたかった。
●htmlは簡潔に。
 (CSSをはずした時に、文字だけでページとして成り立つように。これは、音声読み上げに対応するためでもある。)
●CSSやjavaは外部から読み込む。
(head部分に入れると、重要な部分が読み込まれない可能性もあるらしい。)

2.信頼できる内部リンク、外部リンクが沢山あること
これは、サイトの信頼度をはかる尺度で、大手企業のSEO対策業者はそれこそ、何万というリンクを貼るそうだ。ただ、外部リンクもただ数があればいいというわけではなく、外部リンク先の信頼度もチェックされるらしい。
●内部リンクの数
ページ内のリンク数
●外部リンクの数
ページ外へのリンク数(ただし信頼度の高いモノに限る)
●信頼度
リンク数を増やすために、中身の無いエロサイトなどにリンクしても逆に評価が落ちるらしい。

3.ドメインの使用年数が長いこと
これは、W3Cが最近導入した、信頼度を計る基準となっているらしい。
なんでも、www上で、ドメインが認知されるまで2~3年かかるらしいので、例えば、ウェブショップと実際の店舗を連動で立ち上げる時は、先にドメインを取っておいてウェブ上でプレオープンしとくそうな。
●その他
検索でヒットするように、わざと白背景に白文字などの見えない文字を大量に入れたりしていると、検索から外される、いわゆる、グーグル八分に遭うらしい。こわ~。


片足突っ込んだけのウェブ業界話について、長々と講釈たれましたが、何が言いたかったかというと、ここであげたSEO対策の基準が現実社会のネットワークにも当てはまるんではないかということ。

 例えば、上記の3要素を会社フォーマットで書き換えてみると・・・
1.会社の主張が明確。事業内容がブレないように、専門外は外部に頼む。
2.信頼できる取引先、仲間がいること。また、悪い付き合いがないこと。
3.業界での経験が長いこと。ズルしないこと。

ちょっと無理矢理すぎるかな(笑)まぁ、東電、官邸の説明よりマシか。

でも、WWWの生みの親が、実際の人間関係を基にコンピューターのネットワークを構築していたら面白いな。そして、自分自身も良いネットワークの中で、信頼のあるリンク先になりたいなと思う今日このごろ。遅れてきた5月病も去ったし、頑張ろ!!

2011年3月22日火曜日

いざ!という時は、突然訪れる

 
写真:地域の防災訓練の様子


「どなたか、お医者さんはいらっしゃいませんか??」  

数週間前、妻と帰宅中の電車内で、突然こんな声が響いた。
立っていた50代ぐらいの女性が、突然倒れたらしい。
平日の夕方、社内は帰宅する人々で混んでいたが、
この緊急事態に車内は水を打ったように静まり返った。
女性の顔は青ざめ、手は硬直し、こちらの反応にも応えない。

 「どなたか、救命処置を出来る方はいませんか??」
 「どなたか、救命処置を出来る方はいませんか??」

伝言ゲームのように、車内を駆け巡る2度目の問いかけにも、応えられる人はいなかった。
私自身、救命処置なんて保険体育で習っただけで、詳細など覚えていないし、
倒れた方が、どのような理由で倒れたか分からないのに状況で、
助けたくても、正直、何をどうしたらいいのか分からなかった。
それは、周りの乗客も同じだったようで、車内には、
助けたくても助けられない、もどかしい空気が流れた。

そうこうするうちに、電車は緊急停止で次の駅に停まり、
女性は通報によって駆けつけた救急隊員に搬送されていった。
幸い、女性が呼吸をしていたのは、不幸中の幸いであったが、
女性が倒れてから、搬送されるまで約3分~5分。
呼吸が止まっていたら、生存率は40%以下になっていただろう。
あの女性はどうなったんだろう?助かったんだろうか?

そんな事があった日から数日後、東北大地震が起こった。
規模は違えども、「いざ」という時は、本当に突然にやってくるものだ。
自分の家族や友人がいつ、このような状態に陥るかは分からない。
本当に「いざ」という時が来た時、大切な家族や友人を助けるには、
常日頃から備えておくことが大切だと痛感した。
その後、地域の防災訓練に参加し、AEDの使い方と消火器の使い方を習ってきました。


最後に、今回被災された方々に、心より御見舞い申し上げます。
まだまだ問題は山積みですが、今回、日本国内のみならず、
世界中から寄せられた善意の灯と共に、今回の災害を教訓にして
3.11以前の日本より、良い日本にすることが、
残された私達が出来る一番のコトだと思います。
明日からまた仕事頑張るぞ。

2011年2月14日月曜日

合気道とデザイン


写真:合気道の開祖・植芝盛平の技と、日本工業デザイナーの父・柳宋理のボウル


結婚後、新しいことを学びたいと習い始めた合気道も早4ヶ月。
そもそも、「何故、数ある武道の中から、合気道なの?」とよく質問される。
理由としては、筋力やテクニックにモノを言わせた他の武道より、合気道の円運動を中心とした技が「合理的」かつ「美しく」「脱力」を基本としている点に非常に興味があった。また、それが自分の理想とする「無駄がなく」「本質を突いた」「しない」デザインに近いものを感じたからだ。

合気道の一般的なイメージって、やはり上の写真みたいに、不可解で八百長っぽく、演技だとか思われているのかな?僕自身も実際に経験するまで、やや懐疑的だったのだが、実際に師範代(60代150cmくらい)に技をかけられると、師の動かすままに倒れるしかなかった。これは、とても力で返せるものではないし、逆らおうとする程、決められた腕が痛くなる。つまり、倒れるしかない(笑)。4か月練習してみて、何とか技のカタチはなんとか真似できるようになったが、とてもじゃないけど、師範のようには決められない。人体の構造や、技の基本など、本質的なコトを熟知しているからこそ、師範の動作は、一つとして無駄がなく、合理的に技を決められるのだろう。そして、それが結果として美しいのだろうな。

「脱力」というのは、イチロー選手等の一流スポーツ選手が力を発揮する際に共通して使われるキーワードである。イチロー選手のしなやかなバッティングの裏にあるのは、「脱力」であり、それは人体が力を最大限に発揮できる状態である。
最近、合気道の技型はなんとなく覚えてきたが、一番難しいのが、この力を抜く「脱力」である。
例えば、誰かから急に腕を掴まれると、こちらは、反射的に力を入れてしまう(相手→力→自分)。
すると、掴んだ相手もこちらの反射に呼応して、力を入れ力が相殺されてしまう(相手→力←自分)。
合気道は、他人の力のベクトルを変え、自分の力として利用するために(相手→力↓自分)、この反射的に入れてしまう力を意識的に入れないようにする「脱力」が大事とされている。
先輩方に聞いたところによると、この「脱力」を習得するまで、5年~10年かかるそうだ(汗)。

まだまだ、自分自身でも合気道とデザインを完全にひも付けられていないのだが、今日、合気道を練習して思ったのは、最小限の動きで合理的に技を決めるには、人体の構造や動きなどの、基本的かつ本質的な練習を繰り返し、脱力した状態で技を出せなければならないということ。
デザインで言いかえるなら、最小限のデザインで合理的なデザインを決めるには、デザインの基本である、「見る」、「描く」という基本練習を繰り返し、デザインする際には、対象の本質を正しく理解した上で、技を繰り出さなければならない。
本質を理解することが無ければ、カタチだけを真似た、心に決まらないデザインになるだろう。
合気道もデザインも難しいな。デザインも練習しなきゃな、と思う今日この頃。

最後に、合気道を見たことは無いが、興味はあるという方は、K-1戦士のニコラス・ぺタス選手が日本の武道をレポートする番組「サムライスピリット」(ベタ)を見て欲しい。第一線で活躍していた空手家がコテンパンにやられる様子を見ていたら、力じゃないんだなと思うはず。 
SAMURAI SPIRIT AIKIDO 合気道 1/5