2011年11月16日水曜日

愛着とデザインと豊かな生活

写真:イタリアで一番小さな村、フィエーラ・ディ・プリミエーロ (人口550人)


前回から、あまりにも間が空きすぎたので、過去に書いたもんを投下します。


この前、といっても書きためてたモノなんで、半年以上前の話だが、
ボ~っとテレビを見ていたら、イタリアの小さな村とそこに住む人々を紹介する、
「小さな村の物語 イタリア」という番組をやっていた。

今回の登場人物は、精密工業が発展している村で、時計の修理工として働くジュゼップじいさん。大きな窓がある光に満ちた家に工房を構え、夫婦二人三脚で60年以上も時計の修理一筋を貫いている姿に驚いた。そして何より、60年経った今も、その仕事を楽しそうにしている姿が羨ましくもあり、微笑ましかった。
 
日本人の仕事のイメージって何となく「しんどい」だとか「義務」だとか、負のイメージが多い気がする。それに比べて、海外の人って、楽しんで仕事をしている気がするのは、きっと「好きなこと」を仕事にしているからだろうか。

理想的な働き方ってなんぞや?そもそも何のために働くのか
などというイカ臭い一人問答は、後輩の山田君に任せておいて、
個人的には、働くのであれば、人や社会の役に立ちたいなと思う。
そして、その結果、お金を貰えたらいいなと(米や野菜でも可)。
デザイン、特に工業デザインって、エンドユーザーに届くまで距離も時間も数あるから、本当に誰かの役に立てているかどうか分かりにくい。

番組中、特に印象に残ったのが、20年以上使いこまれた時計を直す、ジュゼップじいさんが言った言葉。

「愛着のあるモノはそのモノ以上の価値がある。時計には、人々の想い出が詰まってる。」
 
モノを作る立場として、また、過去3年以上に渡り、不要デザイン幇助を続けた身として、モノの価値について考えることは多いのだが、「愛着」というのは、大切なキーワードの一つだと思っている。




こうして、今一度「愛着」という言葉自体について考えてみたのだが、なんだか曖昧で良く分らない。
ということで、Yahoo辞書で調べてみた。

愛着
(1)慣れ親しんでいる人や物に心をひかれ、はなれがたく感ずること。あいじゃく。
「故郷に強い―を抱く」「―のある品」
(2)〔心〕 アタッチメント(2)に同じ。

なんだか、TPPに「参加」するのか、「事前交渉」だけなのか、ハッキリしないドジョウみたいな表現は分かりにくいので、「日本の行政に介入して、金巻き上げたる」とハッキリ断言しているアメリカの辞書、ロングマン英英辞書からも引用。

at‧tach‧ment
1 [uncountable and countable] a feeling that you like or love someone or something and that you would be unhappy without them.

さすがアングロサクソン、表現がストレート(笑)
要は、「好き」「愛してる」「無いと不幸せ」と感じる、モノやヒトへの感情。
というわけですな。




ということで、自分の身の周りで「好き」「愛してる」「無いと不幸せ」と感じるモノって何だろう、と考えてみると・・・
・・・
・・・
・・・
「嫁!!」←まだ新婚なんで許して(笑)
「家族?」
「友人・・・」
「結婚指輪」
ぐらいかな・・・
こうして、モノは好きだけど、案外、モノに対して執着が無いことが判明。
 
ん~何か自分の思っている「愛着感」と違うし、アングロサクソンほど単純明快ではない、とモヤモヤした日々を過ごしていたところ、ある日、器に丁寧に盛り付けられたランチを見て、これだと閃きました。

それは、作り手の気遣いと料理への愛情。
つまり、作り手の愛情を感じるモノだな、と。

モノの価値なんて、人それぞれだけど、確実なのは、作り手の愛情は伝わるということ。
作り手の愛情がそのモノ自体を美しくするわけではないが、それはブランド品だろうが、量産品だろうが、手作りだろうが、修理品だろうが、使い手には伝わると思う。

「愛情」がそのモノに「付く」から、人はその愛情を感じ取り大切にするのだと思う。
作り手の愛情の上に、使い手の愛情が積み重なって、やがて「愛着」に変わるのだろうな。
まぁ、愛だのなんだのと、文章にする自分が相当キモいんですが、許して下さい(笑)。


これは、モノだけに限らず、自分の仕事や友達、恋人や家族、地域や国に対しても同じで、愛情を積み重ねて、「愛着」へと変わった時、ジョセップじいさん夫婦のように、人生そのものに「愛着」を持ち、豊かで大らかな生活を送れるのではないかな、と思う今日この頃です。 




よし、まとまった、かな!?

2011年9月22日木曜日

バターナイフを手作りしてみた

少し時間があるので、作りためたモノを放出します。
今回は本業のデザインの話です。

「一生活者としても、一デザイナーとしても納得のいくデザイン」

僕は、これを、理想のデザインとして掲げ、日々活動しています。
某デザイン事務所で働いていた時に、デザイナーが提案する「奇抜だけど自分では使わないデザイン」と、クライアントが求める「何か新しくて刺激的なデザイン」、そして、自分が一生活者として「使いたい」と思うデザインにブレがあり、それを疑問に思いながらデザイナーとしての仕事をしなければならないことに辟易していました。

「自分が実生活で使えるモノをクライアントや家族、友人に届けたい」

これを実現するには、自分でデザインし、作ったモノを実生活の中で使い、生活者視点でデザインの善し悪しを判断するしかないと思うのです。そうして実生活の中で見つけた粗を修正して初めて、頭で考えただけのデザインや、モックのみで検討したデザインとは異なる、真に顧客価値のあるデザインが出来るのではないかと思っています。
という事で、今回はこの理想を実践するために、思い立ったが深夜、バターナイフを作ってみました。
その作業工程を追って、ご紹介したいと思います。



コーナンで買ってきたヒノキ板を適当なサイズに切り、表面にスケッチします。
ヒノキ材にした理由は、水に強く、かつ削りやすい硬さだからです。
デザインは、前からこんなんいいかも、と書きためてたモノ。

一つ一つのデザインを切り離す作業に一苦労。
電ノコで10秒で済む作業に手ノコで30分以上費やしました(汗)

 切り離したデザインをクラフトナイフで削ります。

ある程度削れたら、天面にもスケッチを。

 シュ、シュ、シュ、シュ・・・
開始から約2時間でここまで・・・

シュ、シュ、シュ、シュ・・・
クラフトナイフを握る手が痛くなってきた。

 シュ、シュ、シュ、シュ・・・3時間経過。
ここまでくれば、もう少し。 


そして・・・


粗めのやすり、細かいやすりをかけ、最後にオリーブオイルを塗って完成。

作業開始から終了まで4時間程、かかってしまいました(大汗)

早速、バターを切って・・・

パンに塗ってみました。
グリップが太く、手の平につっかえる感じ・・・
やはり頭で考えただけのデザインはダメですね。


プロダクトデザイナーは通常スケッチでデザインを練るもんですが、今回は、デザインを練らず、「手で考える」という手法で作ってみましたが、いやいや、難しいですね。
頭で描いた使い勝手と実際の使い勝手には、かなりの乖離がありました。

また、制作工程にも省ける無駄がかなりありました。
まず、グリップが分厚く、材料に無駄が多い(木から削ると削る部分が多すぎる)。
一枚板に近いカタチでグリップを高めたほうがコスト安です。
また、このデザインであれば、Rを細かくとれ、型で作れる金属の方が向いていますね。
最後に、手作業は時間がかかりすぎるので、仕上げ前まで機械を取り込めれば、20分程度で1品作れると思います。 
安く作れることが、より多くの人に、適正な価格でデザインを届ける方法ですからね。

ということで、完成まで、何か月かかるか分かりませんが、現在、バターナイフ第2弾作成中です。
(バターナイフばっかり作って、どうなるんだ?と突っ込まれそうですが・・・)
気持ちとしては、やはり生活の中でじっくり検証したモノを発表していきたいと思いますので、理想を実践する場として、自社ブランドの構想も練っています。



おまけ。部屋、こんなんなりましたorz 嫁に怒られる。
木屑を掃除機で吸い込むと、掃除機パンッパンになりました。
どなたか、大阪市内で自由に使える作業場知りませんか?



おしまい。


2011年9月19日月曜日

失敗学

 世界一有名な失敗、タコマ橋の崩落



この世には、3通りの人間しかいない・・・

「失敗から学ぶ者」
「失敗から学ばない者」
「失敗する度胸すらない者」
 
ざわざわ・・・
by福本 伸行(知らん人はスルーして下さい。)


今回は、最近興味を持っている「失敗学」についてのお話です。
海外留学から帰ってすぐのこと、本屋に行って、その自己啓発本多さに驚いた覚えがあります。
いかにも勤勉な日本人らしい光景なのですが、書店に並ぶのは、成功者のサクセスストーリーから学ぶ本ばかり。
最近、ある事に気付きました。

「失敗」から学ぶ本が殆ど無いのです。

こうして「失敗」について考え出すと、失敗しない日など無いに等しいのではないかと思うようになりました。
朝寝坊したり、遅刻したりする小さな失敗から、プロジェクトが上手くいかない、会社が潰れるなどの大きな失敗まで。
天才と呼ばれるイチロー選手だって、7割は失敗しています。
なのに「失敗」に関する本は、成功本ほど注目されていないのです。
こんなに身近な「失敗」なのに、お付き合いの仕方を知らず、ただ怖がっているのはおかしいのではないか?



こうして、「失敗」について興味を持ち、調べてみると、「失敗」について書いてある本を数冊見つけました。

タイトルからしてインパクト大。ITベンチャー企業「ハイパーネット」の社長、板倉氏みずから、成功から失敗に至るまでの過程を事細かに記している。
企業から、事業拡大、融資話や仲間の裏切りなど、社会のしくみが凝縮されているように思う。
特に、銀行の貸し渋りから、一気に会社が傾くまでの臨場感は凄まじいものがある。
読み物としても面白いのでおススメ!!

本書によると、失敗は、未知との遭遇による「良い失敗」と、人間の怠慢による「悪い失敗」の2種類に分けられる。不可避であ る「良い失敗」から物事の新しい側面を発見し、仮想失敗体験をすることで「悪い失敗」を最小限に抑えることが重要である、と筆者は説いている。
ま た、過去の豊富な例から学ぶことで失敗の本質を多角的に検証する方法や、時間がたつと形骸化してしまう失敗例を効果的に伝承する方法についても言及してい る。さらに、マニュアル化した対応方法では前例のない事態が生じたときに対応できなくなるとして、とっさの判断力や創造力を養う失敗経験を教育に取り入れ ることを提唱する。本書は、親しみやすい入門書の形で我々に「失敗学」の重要性を伝えている。世界の失敗の歴史についても多く扱っているので、読み物としても楽しめる。(amazonより / 佐藤敏正)

なんだか、説明が面倒だったので、amazonの書評をまるまるChinaしてきたんですけど、スミマセン、間違いました、一部Koreaしてきました。要は、「失敗」という経験を、どのように「成長」へと繋げるか、という本です。
著者曰く、失敗は知識化することで、初めて皆と共有できるそうで、下記が、知識化フォーマットを元に作った私の失敗体験です。(非常に長いので、俺の辞書に失敗という文字はない、という方はスルーしてください。)

タイトル: 失敗体験のおおまかな中身を想像できるようなタイトル
「パソコンがバグって仕事のデータが飛んだ!!」

事象: どのようなことがあったのか
Windows7の立ち上げが不可能となり、リカバリーを施したが、バックアップを取っていなかったため、大半のデータが飛んだ。

経過:どのように失敗が進行したのか、ポイントになる部分をできるだけ詳しく書く。
8月5日未明、パソコンを立ち上げるもwindows7が立ち上がらず。デルサポに連絡し、ブルースクリーンからの回復方法、静電気の除去方法、セーフモードでの立ち上げを試すが、結局、エラーが起き状況は回復せず。デルサポのサポート内容を信じられなかったこともあり、旧PCを使いネットで調べるが、有効な解決方法もなし。最悪、再インストールになっても、データだけ抜き出せればと思ったが、OSを立ち上げられないので無理だった。再度デルサポに連絡し、データを抜き出せる会社を紹介してもらうが、フルバックアップで50万、フォルダ指定で10数万と言われ、諦める。
デルサポが教えてくれなかったDell Local data back upというプリインストールされたソフトを使い、データの吸い出しを試みる。しかし、初めて使うソフトであったため、肝心の仕事データの吸い出しが出来ないまま、リカバリー。各方面からデータを回収できたおかげで、実質的な被害は、入稿間近のカタログデータと、会社のビジネスキット類、再インストールにかかる時間のみであった。

原因(推定)その時点でどう感じたか、考えたかという当事者の見解。
実は、最大の失敗が起こる前に、失敗の予兆が2つ程あった。
①ダウンロードしたクラックソフトが、新手の不正プログラムだった。症状としては、ネット検索をおこなうと、行きたいページに行けず、バイアグラや、ネットテレビなど意図しないページに飛ばされる。
セキュリティ会社に相談し、様々な対処策を施すも、新種のためで対処不可能だった。かといって、PCを使えないほどではなかったので、セキュリティ会社がリカバリを勧めても、面倒臭くてやらなかった。
憶測ではあるが、不正プログラムのせいで、windows7のシステムが狂ったのではないかと思う。

②スリープモードにすると勝手に電源が切れる症状が2日間程起こるが、PCの立ち上げ、動作に支障は無かったので、ほっておいた。そして、突然、立ち上げ不可能状態となった。

購入して1年も経っていなかったので、「まだ壊れる訳がないだろう」という慢心で、定期的なバックアップは取っていなかった。DELLのカスタマーサポートに連絡するが、話が通じず。紹介してもらったデータ復元業者は作業量が高く、結局は自分で調べて緊急バックアップをすることに。このような事態を想定していなかったため、初めて使う緊急バックアップソフトも使い慣れず、肝心の仕事データの入ったフォルダをバックアップするチェックミス。更に、ソフトはプレミアムにしないと、復元が出来ないと勘違いし、プレミアム版にアップグレード。無事に、キャンセルしたものの、時間を浪費した。また、デルサポの日本語非対応で、時間を超浪費した。

対処:失敗に際して、どんなことをしたか。場合によっては、失敗以前の対処の記述も必要。
PCにプリインストールされているソフトでデータの吸い出しを行ったが、使い方に慣れず、必要なデータを吸いだせなかった。その後、メールに添付したデータや、クライアントよりデータを回収し、実質的な被害は少ない方だと思うが、完全復旧までに2日間要したことをふまえると、締切間近で起こっていたら、完全にアウトだった。

総括:全体を総括して真相をあぶり出し、記録として残すべきこと。
今回のデータ抹消という大きな失敗は、4つの失敗が重なりおこったものである。
①平常時に、バックアップを怠っていたこと。
②ウィルス感染を甘く見てバックアップを怠ったこと。
③電源が切れるアクシデントの深刻さを理解していなかったこと。
④データ吸い出しソフトに不慣れなため、人為的なミスで、データのバックアップが出来なかったこと。
もし、この一つでも回避できていたら、締切稿前のデータを最初から作り直さなくて良かったと思う。

知識化:失敗経験から学んだ教訓や知恵。同種の失敗の再発防止にならなくてはならない。
まずは、データのバックアップを安全・定期的におこなうことが大事。忙しいとついつい忘れがちになるので、自動でおこなうシステムがあれば、ベター。バックアップする際も、壊れる可能性のあるハードディスクだけではなく、期限がなくデータを保存しておくことができるfilestorageなどの簡易サーバーも使用しようと思う。
メインのクライアントにはご迷惑をかけたが、1仕事ごとにデータをCDで郵送していたので、ほぼ全ての提出データを回収できた。また、少量だが、Gmailの送信済みからも、データを回収できた。
言うまでもないが、クラックは使用しない方が良い。今回のやつは、新種だったようでウィルスチェックでも検出できなかった。最低でも試すときは、リカバリ可能な予備PCで行う方がベター。

現在、最大30ギガまで無料で、指定ドライブを自動同期してくれるNAVER Ndrive、というオンラインデータストレージを試験的に使用中。これは、簡単に言うと、Drop Box(通常2ギガ無料)の大容量版のような感じ。転送できるファイルの種類も問わず、転送速度は遅くないが、ドライブ内にデータを入れたまま使うと、動作が遅くなる。なので、必要なデータのみ取り出して使い、また戻すようにして使用中。



いつもながら、長くなりましたが、失敗を知識化する方法を少しでもお分かり頂けたでしょうか?
日本では、失敗には触れない、もしくは、失敗した者を吊るしあげるような風潮があり、失敗から真に学ぶ機会は少ないような気がします。(こう書くと、某首相の数々の失敗を擁護するようで気持ち悪いですが。)要は、「失敗」を「成長」へと繋げるシステム作りが必要なんだと思います。

例えば、ある企業では、社長賞などとともに、あえて失敗した社員を表彰する「大失敗賞」があるらしいです。この仕組みが素晴らしいのは、失敗を社員で共有し、また失敗した社員の奮起を促すところ。
また、アメリカの司法取引制度では、免責を保証し、原因究明をしっかりおこなうそうです。
(その割には、何度も銃乱射事件という「失敗」が起こっているように思えますが・・・)

組織のリーダーとなる人は、部下を安心させるために失敗してないフリをしなければならないことはあるでしょうが、「失敗」した時にこそ、素直に認める謙虚さが必要なのではないでしょうか?そして、「失敗」してもそれを「成長」に繋げる姿勢を自らとり、部下も追従出来るシステムを作るべきだと思うのです。日本のトップである、政府が「失敗」を活かせていない時点で何とも言えないのも事実ですが、まずは自ら実践してみようと思います。
 


この世には、3通りの人間しかいないんです。

「失敗から学ぶ者」
「失敗から学ばない者」
「失敗する度胸すらない者」

あなたは、どれですか?
ざわざわ・・・



おしまい。


2011年8月26日金曜日

Honeymoon Trip ~食べ物視点~

新婚旅行で行った、ロンドン、バルセロナより、スピンオフ第2弾。食べ物視点。
写真を沢山載せれば、結構速く書けることに気付いた。

 
ロンドンCovent Gardenにある、イギリスで有名なシェフ、ジェイミーオリバーのお店
もともと彼の学校給食革命*に感心して行ってみたが・・・
(*ピザやナゲットばかりのイギリス給食を変える運動を行った)

注文したカルボナーラは、麺が讃岐うどんのように太く、
見た目は良いが、食べ心地が悪かった、というところか。
グルメぶるわけじゃないが、見た目、味、食べ心地が揃っての美食だね。
デザインも同じことが言えるんじゃないかな。

 
 ロンドン、Dean Street Townhouseの朝。
ベッドの上でモーニングティーを頂きました。

 言わずと知れたイギリスのソウルフード、フィッシュ&チップス。
Covent Garden近く、130年の老舗、the rock sole plaiceにて
一番美味しい食べ方は、ソルト&ビネガーだと思う。
コツは、ビネガーがお皿の底にひったひたになるくらいかける。
美味しい店を見分ける方法は、現地のジジババが通っている店。

イギリスのティーセットは文句なく美味い!!
湿気がないせいか、特にスコーンやクッキーなどの焼き菓子は秀逸。
ロンドンの老舗デパートLibertyにて。

前ブログの写真ととかぶりますが、結婚式のディナー。
豚の丸焼きにサラダや、パンなど。
その後は、甘しつこいチョコケーキとコーヒーでした。

 バルセロナ、サンホセ・マーケットの果物屋。
果物屋の横には、フルーツジュース屋があり、€1~1.5で飲める。

バルセロナ、サンホセ・マーケットの肉屋。
英語を話せないおばちゃんと身振り手振りで会話をし、
吊るしてあるイベリコ豚をスライスしてもらい、その場でペロリ。
安いので、€35/Kgから、高いので€145/kgまであった。

バルセロナ、タパスの一種。焼き野菜のタパス。
ただグリルしてオリーブオイルかけただけなんだけど、
太陽が出ている国の野菜は本当に美味しい。

バルセロナの海岸エリア・バルセロネータで食べた海鮮パエリア。
日本人が好きな米、海鮮類が入っているのもありますが、
とてもよく出汁が出ていて、濃厚なお味でした。(写真暗くて御免)


他にも沢山美味しいもの食べたんだけど、写真撮り忘れた・・・
ロンドン、バルセロナで美味しかったもんランキングをつけるとすれば、

3位 イギリス・ティーセット
2位 バルセロナ・イベリコハム
1位 バルセロナ・海鮮パエリア

4年も住んだのに、ごめんイギリス。
もうね、太陽のあるなしでここまで違うものか、というほど、素材の味が違いすぎます。
例えば、トマトの味が薄かったり、卵の黄身が薄かったり・・・

パエリアは文句なしに美味しかった。これは、絶対に食べるべし。
どんぐりで育てたイベリコ豚のハムは、身が若干固めで、風味に少し癖があるので、好き嫌いあるかも。私達は、マーケットで調達した、パンとオリーブと一緒に食べました。
イギリスのティーセットは、まず紅茶が美味しい。イギリスの硬水と茶葉が合うのかな!?
日本で同じモノを飲んでも何か違う気がする。

よくイギリス料理は不味いと言われますが、言うほど不味くはないです。
ただ、味付けが薄かったり、脂っぽかったり、素材の組み合わせが下手だったり・・・
うん、下手ってことなんかな。そして、味の平均値が低いように思う。
日本で食べられる美味しいレベルの料理を食べるには、2倍~3倍払わないといけないイメージ。

そんなイギリスの料理事情ですが、一つ良い点があるとすれば、
多国籍な街なので、色々な国の料理が食べられます。
イタリアン、フレンチ、ベトナミーズ、インディアン、中華、タイなど、色々行きました。
もちろん、日本料理もあったりしますが、ちょとposhな(高級で気取った)感じです。
緑茶に砂糖が入っていたり、レモンが入っていたりしますが、その国に合わせたアレンジなんでしょうね。逆に日本に来る、フランス人やイタリア人は、日本で食べる母国料理をどう思っているんでしょうね。

毎回、海外に行って思うことですが、日本以上に食文化が豊かなところはないと思います。
何となくですが、食が発展している地域って、文化が成熟している気がします。
観光庁も嵐使ってニャーニャー言ってないで、日本の食や人、技術や文化などにクローズアップすれば、もっと海外にアピール出来るのに勿体ない、と思う今日このごろです。

おしまい。


2011年8月21日日曜日

Honeymoon Trip ~デザイン視点~

新婚旅行で行った、ロンドン、バルセロナより、デザイン視点でのスピンオフ。
当初は買った商品だけ、紹介するつもりが、あれよあれよ、
いっつもの長ったらしいブログになりました。

夏のイギリスの公園。極力手を加えず、
自然を満喫できる環境を整えることもデザイン。
梨花の「洗濯もファッション!!」
という名言に似たようなもの。いや、違うな。 
イギリスで最も美しい風景のひとつ。

大手銀行のカードを持っていれば使える、レンタサイクル。
使用時にカードで個人認証するため、皆必ず返却する。
無返却やダメージは課金される。その額なんと£1500(約19万円)
都市のデザイン、そしてシステムとして素晴らしい。
 
あこがれのLabour and Waitへ。
ロングライフデザインを取り扱う、審美眼冴さ渡るセレクトショップ。
この本店に、柳宗理のトングやヤカン、カトラリー類が置かれていて感動。
日本ではBshopさんでお取り扱い中です。

イギリスで新進気鋭っぽいブランドのAubin & Willsで買ったセーター。
Labour and wait本社の近くに本店?かな。フラっと立ち寄った。
SALE£50

イギリスALDOで買った、スリッポン。£30
発祥はスペインらしいが、現地の若者の3人に1人は履いてた。
底面が編みこみのヒッピータイプなどあり、値段もピンキリ。
これは、日本でも流行ると思う。

バルセロナ、ビンソンの店内。
飾りすぎるでもなく、かといって雑でもない、適度に手を抜いたなディスプレイ。
キッチン用品好きな自分としては、鼻血が出る場所。

バルセロナ、ビンソンで買った籐製の闘牛。€30
普段は不要なモノは買わないんだけど、
店内に何頭も並んでるのを見て、旅の思い出に。

同じくビンソンで購入の、卓上ネット。€10
柔らかい網でカタチを変えられる。

サグラダファミリアのソルト&ペッパー。€9
このぐらいなら、観光土産買ってもいいかな?と思う。

ビンソンで友人デザイナーの為に買った、塩入れ。€2.5
前回、卒業旅行で行った際も購入し、絶賛現役中。
塩入れの究極系はコレだと思う。

ビンソンで購入、ALLESIのワイングラス。€6
ワイングラスなのに洒落ぶらない好青年振りが好き。 

 
 嫁の笑顔。€=priceless
マスターカードでも買えません。
人生で一番大きな買い物でした。 
、、、スイマセン、次、行きます。
 
 おまけ。日本を代表する包丁ブランドGlobal
はっきり言って当て字がダサい。

「人生で誰もが経験するシーン」をモチーフに作られたシャワーカーテン。
フリルがあることから察するに、召使に狙われてるのか!?
と、しょうもない冗談はさておき、面白いと思うデザインと、
実際に生活で使いたいデザインって違うよね、という話。
企画段階で止めるよね、ふつう。
スペインのデザインは全体的にラテン系の元気を感じました。


 視覚的にかなり強烈に購買意欲を煽るサンホセ市場。
 かなり実践的なディスプレイデザインだと思う。

ホテルの部屋から見えたサグラダファミリア。
1984年着工、完成予定2030年!!
一度でいいから見てみたい、女房がヘソクリ隠すとこ、
と、サグラダファミリア。

サグラダファミリア内部。
ディテールが細かすぎて拾いきれない。
実際の木の枝が広がる角度や本数の方式を取り入れ、
構造を支えている。圧倒的な「知」の集合体。

サグラダファミリアの模型室。
実際の部材を作る前に、縮小モデルを多数作る。

ロープにおもりをつけ、重力の形を可視化したカテナリー曲線。
これを逆さまにし、重力に耐えうる構造として導き出した形がサグラダファミリア。

オマケ。夜歩いていると、
どこからともなく、ジョボジョボジョボという音が。
酔っ払いにしては、音が大きいし、何かなと?
と見てみると、タンク車が植木に水やりしてました。
多分、貯めた雨水だろうな。都市やシステムのデザインというお話。

おしまい。



2011年8月19日金曜日

イギリスの結婚式

挙式が行われたHeaton House Farm, Stockport, UK

先日、大学時代の友人の結婚式に合わせてイギリスへ新婚旅行に行って参りました。
旅行の詳細写真はfacebookにアップしてるので、今回は、イギリスの結婚式と、イギリス留学時代の思い出を織り交ぜて書いてみようと思います。


 卒業式後に酔っぱらった二人
若いなぁ・・・(笑)

今回結婚した友人のジョーと出逢ったのは、シェフィールド・ハーラム大学1年生の頃。
プロダクトデザイン学部の同じクラスだったので、かれこれ7~8年の付き合いになります。
40人のクラスに留学生は1人という環境の中で、ジョーは初めて出来た友達でした。
当時、今より英語が話せなかったし、共通点は「自転車通学」しかなかったんだけど、気づいたら友達になってました。
週末は、ベトナム料理を食べ、パブでビリヤードをやったり、室内のロッククライミングに行ったり、仮装パーティーに出かけたり、よく遊んでいた思い出があります。彼が、ポケモンとかドラゴンボールが好きで、超サイヤ人の絵をトレーシングして大人の色塗りしてるのを知ったのは、大分後の話(笑)。

奥さんのジェスとジョーは高校のダンスパーティーで知り合って以来9年の仲。とにかく仲睦まじい。
ジョーと遊ぶようになって、ジェスと知り合ったが、とにかく純粋で好奇心旺盛という、ディズニーのヒロインみたいな子。おまけに、奇麗で屈託ない。


卒業後、国立公園のPeak Districtでの一枚。
イギリスはとにかく街と自然の距離が近い。
10分も自動車で走れば、手つかずの自然があります。


式場は、マンチェスターユナイテッドで有名なマンチェスター市のストックポートという場所から、更に車で30分ほど走った牧場でした(参照:冒頭写真)。山が無いイギリスは、丘続きで、ちょっと高いところに上ると、地平線が見えます。ただし、イギリスの天気は、気まぐれなので、見れるのは「運」次第。夏の公園と並び、イギリスの最も美しい景色の一つだと思います。


さて、やっと挙式当日の話。
挙式前日のクソ忙しい日に新郎新婦の家に泊めてもらった私達は、新郎、友人夫婦、およびベストマンと一緒に式場に向かい式場内のバンガローにチェックイン。式が始まるまでの間、式場備付けのバーで一杯ひっかけてから、式が始まるのはパブ文化が栄えるイギリスらしいところ。いよいよ、式が始まりますということで、芝生がまぶしい屋外へ移動。夏のイギリスは、日差しが強いが、風も強く、少し肌寒い感じ。

行く前はドレスコードのことで悩んだりしたが、行ってみると男性はスーツに青のネクタイが多く、女性は白以外の色でカラフルに着飾ってました。実際、新郎母はピンクを、新婦母は青を基調としたドレスを着て、元気なカラーリングでした。

人が多すぎて写真を撮れなかったのが残念だが、新郎入場、そして新婦が父親と登場。
いつも奇麗なジェスですが、当日はより美しく、stunning!!(驚くほど美しい)という感じでした。
とても仲睦まじい二人ですが、9年半の交際期間の間、3年間の遠距離恋愛があり、奥さんの病気もありました。本当に、良い時も悪い時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、二人で乗り越えてきたのを見ているので、感慨も一入でした。


結婚誓約書にサインしつつも、アツアツな二人。
サインする間、友人の奥さんがアコギで歌ってました。

サインが終わり、ポッタニアの二人はハリーポッターの生演奏に合わせて退場。
ヴァージンロードを抜け、大きな木のふもとで集合写真の撮影。

  なんたらガールズと、そのパートナー達の写真撮影。
こんな調子でグループごとに写真撮影が行われるかたわら、
周りでは、ワイン片手に歓談タイムです。

写真撮影が終わると、屋内に移動し、いよいよ披露宴の始まりです。

 メッセージ・ツリー。

 席次表。出逢った場所でテーブル分けされている。

披露宴の最初にスピーチ。トリは新郎。
我々が日本から来てくれたと紹介してくれただけでなく、
日本語で「ドウモアリガトウ」と、スピーチ。

披露宴は日本の形式と変わらないが、皆で楽しく披露宴を行いたいという新郎新婦の強い意向によって、披露宴の最初にスピーチを行いました。スピーチの順番は、新婦父、新郎父、ベストマン、そして最後に新郎。自分のスピーチ思い出したら、こっちまで緊張してきた(汗)。イギリスのスピーチは、ユーモアを取り入れる習慣があるのか、ちゃんとしたスピーチの中にも、小道具まで使って笑いどころを織り交ぜ、楽しくも心に残るスピーチでした。中でも、新婦父のスピーチは、子を思う親の気持ちや、愛娘との想い出話を織り交ぜ、ドキュメンタリーな人間模様に弱い私には、嬉汁(キジル)が出る内容でした。

新婦が小さいころは、好奇心旺盛で我慢ができない子だったらしく、はじめての自転車を買った時、保険に入るまで乗っちゃダメだ!!と言ったにもかかわらず、近所の車に突っ込み、車の修理代に10万かかった(笑)。そんな娘が成長し、内面も外面も美しい女性になり、素敵な男性と出逢った、と(涙)。いいよね、家族。早く、娘の結婚式に出たい!!と思う今日この頃です。

スピーチが終わり、楽しみにしていた料理、そして歓談タイム。
日本と違うのは、新郎新婦の写真を撮りに行かないとこかな。
せいぜい、ケーキ入刃の時ぐらい。

 会場の外で、豚を丸一匹焼き、それをテーブルごとに取りに行くビュッフェ形式のプレート。
素材の味を活かす(笑)イギリス料理にしては、美味しかった。

ケーキより甘いわ!!


楽しい披露宴も終わりに近づいた頃、新郎のお父さんがやってきて、こう言いました。

In our life, we have a lot of chances(詳細は失念)
「人生には、色々なご縁がある」と。

なんでも、彼のお祖父さんは第一次世界大戦でドイツ軍に収監されたらしいのだが、何とか脱出できたから現在がある、と。もし、彼のお祖父さんが逃げれなかったら、ジョーは生まれてないだろうし、もし、私が留学せずに日本にいても、ロンドンに住んでも、ジョーに出逢うことはなかった。そう考えると、天文学的な確率で、人に出逢ってきたように感じ、今まで出逢った全ての人との出逢いは必然で、現在の自分があるのは、必然の積み重ねなんだと実感しました。ましてや、結婚ともなると、更に天文学的な確率であるのは言うまでもありません。

出逢いに感謝、そして、家族と嫁に感謝。

披露宴は盛況のまま終わり、2次会は隣接するテントの中で、新郎新婦がファーストダンスを踊りました。(美女と野獣のダンスシーンな感じです。)そして、ジョーと新婦の弟によるバンド演奏に合わせ、人々は好きに踊り、飲み、歓談し夜は更けていったのでした。

おしまい。


PS. ちなみに、結婚のお祝いは梅田J-periodで買った、夫婦箸を手拭いに包んであげました。
夫婦のコンセプトも、日本製品の品質もいたく気に入って頂けました。
そこまで箸を使う文化ではないけど、イギリス料理が不味いため、食文化は多国籍。
中華、ベトナム、タイ料理、日本料理も食べるので、 これからお祝いをあげるひとはおススメ。
商品説明の漢字にもかなり反応してたから、ミニ習字セットなんかもいいかも。